別環境にHULFTの設定を移行したい

OrangeLab. 運営チーム
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はじめに

こんにちは。株式会社メディアフォースの池田です。

EOL対応などでマシンをリプレースする際、「新環境にHULFTの設定を引き継ぎたい!」といったことがあると思います。
しかし移行前には、以下のような様々な懸念事項があると思います。
  • 移行前・移行後のHULFTのバージョンが違う場合、どうやるのかな?
  • バージョンごとに移行手順は変わらないかな?
  • 移行できない管理情報は存在するかな?
  • 何か制限事項や非互換事項はあるかな?
今回のTipsでは、各バージョンごとの移行手順や注意点を、WindowsからWindowsへの移行を例にご紹介します。

移行方法は下記2種類があります。
  1. HULPATHディレクトリをコピーする方法
  2. 「管理情報パラメータファイル生成コマンド」と「管理情報バッチ登録コマンド」を使用する方法
それでは早速、手順をご説明します。

HULPATHディレクトリをコピーする方法

この手順ではHULFTの管理情報【注1】及び、管理情報以外【注2】の設定情報を移行することができます。
ただし、移行前・移行後のHULFTバージョンによって手順が異なるためご注意ください。

移行先バージョンがVer.8の場合

移行元HULFTのバージョン、レベル、リビジョンが同一の場合
  1. 旧環境HULFTのインストールフォルダ以下のetcをバックアップする。
  2. 新環境にHULFTをインストールする。
  3. バックアップを新環境HULFTのインストールフォルダ以下、etcに上書きコピーする。
移行元HULFTのバージョン、レベル、リビジョンが違う場合
Ver.8からVer.8への設定引き継ぎ
  1. 旧環境HULFTのインストールフォルダ以下、bin(binnt)およびetcをバックアップする。
  2. 新環境にHULFTをインストールする。
  3. 「1.」のバックアップを、新環境HULFTのインストールフォルダ以下に、bin(binnt)およびetc以外の任意の名前でコピーする。
  4. 「3.」でコピーしたbin(binnt)にある hulft.ini をテキストエディタで開き、「HULPATH=」を「3.」でコピーしたetcのパスへ変更する。
  5. 各種管理情報コンバートコマンド(hulconv)を使用して、各管理情報をコンバートする。
Ver.6およびVer.7からVer.8への設定引き継ぎ
  1. 旧環境HULFTのインストールフォルダ以下、etcをバックアップする。
  2. 新環境にHULFTをインストールする。
  3. 「1.」のバックアップを、新環境HULFTのインストールフォルダ以下に、etc以外の任意の名前でコピーする。
  4. 各種管理情報コンバートコマンド(hulconv)を使用して、各管理情報をコンバートする。

移行元バージョンVer.6およびVer.7

同一ライセンス【注3】かつ、HULFTのバージョン、レベル、リビジョンが同一の場合
  1. 旧環境HULFTのインストールフォルダ以下、etcをバックアップする。
  2. 新環境にHULFTをインストールする。
  3. 「1.」のバックアップを新環境HULFTのインストールフォルダ以下、etcに上書きコピーする。
同一ライセンス【注3】または異なるライセンスかつ、HULFTのバージョン、レベル、リビジョンが異なる場合
  1. 旧環境HULFTのインストールフォルダ以下、etcをバックアップする。
  2. 新環境にHULFTをインストールする。
  3. 「1.」のバックアップを新環境HULFTのインストールフォルダ以下に、etc以外の任意の名前でコピーする。
  4. 各種管理情報コンバートコマンド(hulconv)を使用して、各管理情報をコンバートする。
ライセンスの異なるHULFT間(バージョン、レベル、リビジョンが同一)の場合
  1. 旧環境HULFTのインストールフォルダ以下、etcをバックアップする。
  2. 新環境にHULFTをインストールする。
  3. 「1.」のバックアップから必要なファイルのみを選択して、新環境のHULFTに上書きコピーする。
    ※バックアップから復元するファイルに関しては、マニュアルを確認してください。

【注1】管理情報
  • 配信管理情報
  • 集信管理情報
  • ジョブ起動情報
  • 詳細ホスト情報
  • 転送グループ情報
  • フォーマット情報
  • マルチフォーマット情報
  • スケジュール情報
  • ファイルトリガ情報
【注2】管理情報以外の設定情報
対象ファイル対象ファイルパス備考
システム動作環境設定ファイル %HULPATH%\hulenv.cnf  
要求受付定義ファイル %HULPATH%\service.dat  
CSV環境設定ファイル %HULPATH%\hulcsv.inf  
XML環境設定ファイル %HULPATH%\xml\ホスト名.フォーマット区分項目.フォーマットID項目.inf Ver.6、7のみ
EBCDICユーザコードテーブルファイル %HULPATH%\user1.ucf user2.ucf user3.ucf  
外字テーブル展開ファイル %HULPATH%\gtf以下のファイル  
メール環境設定ファイル %HULPATH%\mail\Sendmail.ini  
パスワード管理ファイル %HULPATH%\huladmin.dat  
ライセンス管理ファイル %HULPATH%\hullicense.dat Ver.6のみ
メールボックス情報ファイル mbhomedir\宛先ホスト名\hulmboxdb.dat
mbhomedir\宛先ホスト名\hulmboxdb.idx
Ver.6のみ
【注3】同一ライセンス
同一ライセンスとは、下記条件のどちらかに該当するものを指します。
同一シリアルNo.の製品
例)旧環境ではVer.7.3.0を利用していたが、新環境ではVer.7.3.2へとリビジョンアップする場合等
バージョンアップ版として購入した製品に紐付くシリアルNo.の製品
例)旧環境ではVer.6を利用していたが、バージョンアップ版としてVer.7を購入した場合等

「管理情報パラメータファイル生成コマンド」と「管理情報バッチ登録コマンド」を使用する方法

この手順ではHULFTの管理情報のみを移行することができます。
管理情報以外の設定情報は移行されないため、手動で設定する必要があります。

通信先の顧客が多い場合は、まとめて移行せずに、1顧客ごとに段階的(環境構築+顧客1の移行→本番稼働→顧客2の移行→顧客3の移行 などの順)に移行していきたい!という場合があると思います。そういった場合は、この方法が適しています。
※「HULPATHディレクトリをコピーする方法」は、すべての管理情報を一括で移行してしまうため不向きです。

手順

  1. 旧環境HULFTのインストールフォルダ以下、etcをバックアップする。
  2. 旧環境で管理情報パラメータファイル生成コマンド(utligen)を使用して、移行したい管理情報をエクスポート(パラメータファイルを生成)する。
  3. 新環境にHULFTをインストールする。
  4. 新環境に「2.」で作成したパラメータファイルを管理情報バッチ登録コマンド(utliupdt)を使用してインポートする。
  5. 管理情報以外の設定を、移行前の設定情報を元に手動で編集する。
    ※「1.」~「5.」の設定後、本番稼働後に、1顧客を移行したい場合は、「1.」→「2.」→「4.」の手順を実施してください。
※この手順では、移行元および移行先のHULFTバージョンを意識する必要はありません。
※下位から上位バージョンに移行する場合、特にパラメータファイルを修正する必要はありません。ただし、下位バージョンに存在していない設定値が新環境にある場合、移行時に初期値が設定されます。

移行時のポイント

各管理情報を移行するにあたって、WindowsからUNIX系OSへの引き継ぎなど、アーキテクチャの異なるOSへの引き継ぎはできません。
代替手段として、管理情報をパラメータファイル (テキスト形式) に書き出して移行する方法が考えられます。

手順

  1. 旧環境の HULFT にて、管理情報パラメータファイル生成コマンド (Mainframe 版の場合は管理情報定義カード生成プログラム) を使用してパラメータファイルを作成する。
  2. 作成したパラメータファイルを、移行先OS種のパラメータファイルにフォーマットに合わせて加工する。
  3. 加工済みのパラメータファイルを、新環境で管理情報バッチ登録コマンド (Mainframe 版の場合は管理情報登録バッチプログラム) を使用して登録する。
    ※なお、管理情報以外の設定情報は移行対象外ですので、手動で編集する必要があります。
また、移行前と移行後の管理情報の設定値の非互換については新機能・非互換マニュアルを参照ください。

さいごに

移行はOSやバージョンなどによって手順が異なるため、この記事を参考の上、慎重に実施してくださいね。
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