第11回:運用例

OrangeLab. 運営チーム
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これまでは、機能を軸としてHULFTをご紹介してきました。
今回は、HULFTを運用するにあたってのポイントなどをご紹介します。

はじめに

こんにちは、株式会社メディアフォースの佐渡です。

HULFTには、多くの機能が搭載されていることは、これまでの連載記事でお分かりいただけたかと思います。
では、それらの機能が実際の業務では、どのように運用されているのか。
今回は、HULFT運用時のポイントを「運用例」をとおして把握いただきたいと思います。

本社から支社へ売上実績の集計結果を送りたい

本社から全国の支社へ昨年度の売上実績の集計結果を送る例を紹介します。

本社はLinuxを採用しており、データベースに売上実績のデータが格納されています。
データベースより売上実績を取り出し、ファイル化して複数の支社へ一斉に配信します。
支社ではWindowsのマシンを使用しています。



この業務は、以下の流れで構成されています。
  • 配信前に売上実績ファイルを作成
  • 複数の支社へ1つのファイルを配信
  • 配信先に合わせて文字コードを変換

では、それらひとつひとつのポイントを解説していきます。

配信前に売上実績ファイルを作成

配信前にデータベースから必要なデータを取り出して、配信ファイルを作成するジョブを設定します。

配信前ジョブに関する設定
設定項目 設定内容
ホスト 管理情報 項目
配信側ホスト ジョブ起動情報 起動ジョブ データベースから必要なデータを取り出してファイルに出力するプログラムを設定します。
配信管理情報 配信前ジョブID 上記で作成したジョブ起動情報のジョブIDを設定します。

〔ポイント〕
データベースから必要なデータを取り出してファイルに出力する処理を配信側ホストのジョブ起動情報に設定します。
ただし、ここで意識しなければならないポイントは、障害発生時の動作です。

では、配信前ジョブが異常終了した場合、HULFTはどのように動作するのでしょうか。
HULFTは配信前ジョブが異常終了した場合は配信要求を行わず、コマンドが異常終了となります。
よって、作成途中の中途半端なファイルを配信してしまうことはありません。

では、ネットワークエラーで配信が正常に終了せず、再配信となった場合はどうでしょうか。
この場合、配信前ジョブが再度実行されるか否かが重要です。
結論から申しますと、再配信要求時は、配信前ジョブIDが登録されていても配信前ジョブは実行されません。
よって、データベースをあらためて読み込み、再度ファイルを作成するようなことはありません。

非常に理にかなったHULFTの動作ですよね。
しかし、再配信要求時にも再度ファイルを作成してほしい場合などは、配信前のジョブ実行をHULFTから切り離すなどの工夫が必要となります。

複数の支店へ1つのファイルを配信

本社から、複数の支社にファイルを配信します。

同報配信に関する設定
設定項目 設定内容
ホスト 管理情報 項目
配信側ホスト 転送グループ情報 ホスト名 すべての集信側ホストのホスト名を設定します。
配信管理情報 転送グループID 上記で作成した転送グループ情報の転送グループIDを設定します。

〔ポイント〕
本社から、複数の支社にファイルを同報配信(複数ホストへの配信)します。
HULFTでは、「転送グループ情報」に複数の集信側ホストを指定し、その転送グループを配信管理情報で指定するだけで同報配信が可能です。

なお、同報配信の場合、配信前ジョブの実行は1回のみです。
このケースでは、同一のファイルを複数の支社に配信するため、一度のファイル作成で問題ないですが、
もしホスト毎に別のファイルを作成して配信したい場合などは、同報配信せず、個別に配信するなどの考慮が必要となります。

配信先に合わせて文字コードを変換

支社の環境に合わせて、文字コードや数値形式を変換します。

コード変換に関する設定
設定項目 設定内容
ホスト 管理情報 項目
配信側ホスト システム動作環境設定(コード変換) 転送コードセット "EUC-JP"を設定します。
日本語規格 "83JIS"を設定します。
詳細ホスト情報 ホスト種 "WindowsNT"を設定します。
転送コードセット "Shift-JIS"を設定します。
日本語規格 "78JIS"を設定します。
配信管理情報 コード変換 "配信側"を設定します。
EBCDICコードセット 配信ファイルのコードセットを設定します。
集信側ホスト システム動作環境設定(コード変換) 転送コードセット "SHIFT-JIS"を設定します。
日本語規格 "83JIS"を設定します。
集信管理情報 EBCDICコードセット 配信側ホストと同じEBCDICコードセットを設定します。

〔ポイント〕
支社の環境に合わせて、文字コードや数値形式を変換しますが、HULFTには強力なコード変換機能があります。
ただし、その機能も、設定を誤ってしまっては正しく動作しません。
正常にコード変換するには、システム動作環境設定と詳細ホスト情報を正確に設定する必要があります。

詳細ホスト情報の「転送コードセット」および「日本語規格」は、相手ホストのシステム動作環境設定の内容に合わせる必要があります。
この設定を誤ると、正しくコード変換されません。

参考:システム動作環境設定のコード変換に関する設定(Windows)

また、テンプレートにないEBCDIC変換を行う場合は、コード変換を行うホストでEBCDICユーザテーブルの登録が必要です。
外字を使用している場合は、同様に外字テーブルの登録が必要です。
今回のケースは、本社から支社への同報配信ですので、配信側ホストで登録し、配信管理情報の「コード変換」を"配信側"に設定します。
そうすることで、複数存在する支社すべてのHULFTに上記テーブルをひとつひとつ登録する必要がなくなります。
このようにHULFTの設定は、運用の負荷を軽減することを意識しながら行う必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
HULFTは、非常に運用しやすく設定を行うことができるとお分かりいただけたかと思います。

今回ご紹介した障害発生時のリトライや、各種テーブルのメンテナンス以外にも、運用時に考慮すべきことはたくさんあります。
是非、HULFTの機能についてさらに理解を深めていただき、運用しやすいシステム構築につなげていただきたいです。
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